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【第8回】CTやMRI、高額医療機器は開業時に導入するべきか

【第8回】CTやMRI、高額医療機器は開業時に導入するべきか

Last Updated on 2021年6月14日 by dls-admin

今回のコラムのテーマをご覧になられて、何をいわんとしているか疑問に思われた先生も多いと思います。
当然、先生が大学ご卒業後、修練を積んでこられた科においては、CTやMRIの画像診断装置がなければ、診療や手術が不可能というケースも多いでしょう。

「費用対効果」「売上目標」

今回のコラムでお伝えしようとしていることは、CTやMRIを購入したり、リースするなということではありません。「費用対効果」「売上目標」のことを、心の隅に置いていただきたいということです。

たしかに、高額な画像診断装置や診療の装置があれば、患者さんは利便性が高くなります。しかしながら、医院に対価として支払われるのは、自費診療を行っていない場合、健康保険からの診療報酬のみです。

スタッフの給与を支払って、衛生用品・医薬品の仕入れをペイして、テナントビルなどの賃借オフィスで診療をされている場合なら家賃も支払わなければなりません。その残った診療報酬から、高額な画像診断装置や診療機器のリース料、分割の購入費を支払った場合、経営は安泰でしょうか?

 

無理なき経営を

大学や民間病院で働いておられたころは、これらのコストは全て、先生ではなく、病院が支払っていたわけです。ご自分で開業されるということは、経営者としてこれらのコストを全て支払う責任を負うこととなります。当たり前の話ですが、なかなか肌でわかるものではありません。

もちろん、患者によって、診療報酬は変わりますから、一概なことは言えません。しかしながら、先生が専門とされる科においてのポピュラーな疾患(もっとも多い病態・疾患名)の診療報酬の総額は概算できるはずですから、月に大体何人診察すれば、無理なく経営が成り立つかは、ある程度計算できるはずです。

もし、借入金を作ったり増やさなければならない経済状態で、これらの診断装置や診療機器が不要であるなら、基本的には導入をやめておくべきです。

 

高額な医療機器がないと他クリニックに患者をとられる?

診断装置や診療機器を無理して導入される先生の大多数は、「他の先生に患者を取られるのではないか」という心理が働いているようです。たしかに、患者様は、他の医療機関へ行くでしょう。しかしながら、そういった診断装置や医療機器がある病院に行きたがるのは、高度な治療を受けたかったり、できるだけ一か所の病院で済ませたい(ワンストップサービスを求める)という心理が働いています。

つまり、ワンストップサービスでなくてもよいから、高度で適切な医療を受けたいという患者も半数はいるわけです。こういった患者を丁寧にケアすれば、高額な診療機器や治療機器を導入しなくても、売上は伸びますし、患者さんからも信頼される結果を作ることはできます。その詳細は次回、じっくりご紹介させていただきます。

 

 

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