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【第6回】貴重なプライベートを過ごす時は、患者さんの生活圏内から離れることを意識する

【第6回】貴重なプライベートを過ごす時は、患者さんの生活圏内から離れることを意識する

「先生」と呼ばれる職業は、なんだかんだいいながら、さほど多いものではないと思います。医師の間でいう「先生」とは「~さん」といったニュアンスに近いとおっしゃった著名な医師がいました。それでも、患者側の我々からしたら先生という存在であるのは間違いありません。

「先生」と呼ばれる職業につくと、プライベートの時間を持ってはいけないという風潮

日本という国は困ったことに、「先生」と呼ばれる職業につくと、プライベートの時間を持ってはいけないという風潮があります。日本においては、教員の家へ、深夜に学習指導を相談する保護者がいるそうですが、ドイツなどでは、午後8時を過ぎると先生も生活があるから電話をしてはいけないという教育を公然とするそうです。

日本の医師法と違って、応召義務がない国が多いですから、医師=先生という考えが薄いのかもしれません。

 

24時間対応するのが当然のように思われている日本の医師業界

日本においては、そうはいかず、患者様の求めがあれば診療を行わなければなりません。そのため、医師があたかも24時間働き続けることのできる超人的な存在だと思っている患者も少なくないようです。

実際、患者の生活圏内のバーで先生が呑んでいたなんて話が、都市部でも噂になることはよくあります。(糖尿病の専門の先生だったそうで、患者さんの間ではあっという間に話が広がったそうです。余談ですが、先生ご自身は、ご健康な方です)

開業されると、開業当初は、保健所との連絡や検査などで追われると思いますし、そもそも医師という職業自体、プライベートの時間を取るのが大変だと思います。せっかくのプライベートの時間だからこそ楽しみたいという気持ちがわきあがるのは当然ですが、先生のご自宅、病院から離れた場所にリフレッシュする場を探されるのが無難です。

女性の先生は、美容院の情報や化粧品の情報などの開示も留意を

女性の先生は、女性の患者さんの診察の雑談の中で、「どこの美容院に通われているんですか?」とか、「どんな基礎化粧品を使ってるんですか?」といった質問を受けやすいと思います。

断片的に情報を開示することで、ご自分の住所が推測される場合もありますから、(クリニック兼自宅なら別ですが)「時間が不規則だから特に決めてないんだけどね」といった回答をするようにしたほうが無難でしょう。また、化粧品などは言うまでもなく、皮膚科系の疾患がない患者でもトラブルになりうる可能性がありますから、その旨を十分伝えた上で紹介するか、あたりさわりのない回答をされたほうが無難でしょう。

ごくごくささいなトラブルが周囲の患者に広がり、正確な事態から外れた大きなトラブルになることもありえます。精神科や診療内科の先生は、そのあたりをよく御存じかと思いますが、多かれ少なかれ、患者は医師に依存する心が芽生えます。

その心を、時間を吸われたり、生活の実害につながらないようにするために、先述のようなことを意識されることが大事かと思います。


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