【第5回】100円ショップで買い物をする時でも領収書をもらうことでクリニックの認知拡大を実現
Last Updated on 2021年5月24日 by dls-admin
勤務医から開業医になるということは、サラリーマンから経営者になるということでもあります。率直に言って経営者は、売上(保険収入+自費診療)-(経費)-(税金)が収入になるわけです。
「当然だろう。仕事で購入したり使用したものは、もれなく領収書をもらわなきゃ」
そう思われた先生も多いでしょう。まったくその通りなのですが、どんなに少額でも領収書をもらう意味があるのです。
同業他社から自分の医院を選んでもらう
最近は、よほどの地方都市でも、先生と同じ専門の先生が開業されることが増えました。いささかいやらしい言葉を使いますが、「商売敵」がどこにでもいるわけです。
大多数の先生が、開業当初に錯覚しがちなのですが、臨床歴にうらうちされた医療技術があれば、来院する患者さんが増えると錯覚しがちです。もちろん、患者さんは病気が癒えることを第一の目的にするわけですから、臨床歴豊富な先生を選ぶのは当然のことです。
ですが、ここで考えてみてください。
患者様の生活圏で、同科で、同じ専門の先生が多数開業する時代なんですね。つまり、患者さんは、不当な扱いをされたと感じた場合、先生と同じ程度の臨床歴の先生を探して自主的に転院してしまうのです。
以前のコラムで、事務員が医院の隆盛を決めるということをお話させていただきました。非医療者である事務員が増患につながる鍵を持っていると述べたのは、こういった理由があるからです。
領収書をもらうのは自分の病院を心証づけるため
さて、お話を領収書に戻します。
100円ショップで買い物をしても領収書をもらったほうがいいというのは、単に節税のためではありません。先生の病院を心証づけるためです。医療関係法規においては、かなり緩和されたものの、他の業種に比べて広告を厳しく制限されています。そこで領収書を使うわけです。
購入の際に、「大変お手数ですが、領収書を書いていただけないでしょうか」「宛名はどうされますか?」「お手数ですが、●●医院でお願いします」このように、やや腰が低い心証を受ける感じでお願いするといいでしょう。その際に、「開業したばかりで、この町のことがよくわからないので、必需品を買うときはよろしくお願いします」と言って、医院の名刺を渡すのもいいでしょう。
開業当初は、こういった地道な活動も重要です。状況によりけりですが、心にとめて余裕がある時は実践されてみてください。
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