【第6回】保険営業体験記「マーケティングとセールスの違いを知り、見込み客をつくる」
Last Updated on 2023年1月31日 by dls-admin
はじめに
はじめまして。私は、開業医専門FPとして活動をしております「三橋 泉」と申します。1997年から現在まで、開業医のビジネスパートナーとして、ドクターに的確な課題解決の方法をご提案させていただいております。
今でこそ、約100名以上の院長先生とお付き合いをさせていただいている私ですが、25年前、保険会社に入りたての頃は、新規開拓が全くうまくいかず何度も挫折しそうになりました。他の業界に行こうかと、転職活動をしたこともあります。
しかし、必死に営業に取り組んでいく中で、自分なりのコツをつかむことができ、「医療マーケット」に特化し保険営業パーソン、FPとして実績を重ね、最終的には起業することもできたのです。
保険会社に転職したばかりの私のように、「開業医の新規開拓がうまくいかない」「開業医を顧客にしたいけれど、どうしていいのかわからない」という保険営業パーソン、FP、あるいは、独立したばかりの税理士の方々に、私の経験が少しでも役に立てればという思いで、ホームページを開設することにしました。
今回の記事では、ドクターマーケットを対象とした保険営業で成功するための、「長所と短所」について解説をしましょう。
1.保険営業には、マーケティングとセールスの力が求められる
まず、保険営業をする際の基本的な知識からお話します。
保険営業においては、「マーケティング」と「セールス」を分けて考える必要があります。私が考えるマーケティングとセールスの違いは、次のとおりです。
* マーケティング=商品サービスに興味のある見込み客を連れてくる(集客)
* セールス=商品サービスに興味のある見込み客に対して、説明をして販売する(営業)
一般的な企業であれば、マーケティングとセールスが分かれているので、営業の際は、見込み客に対して商品やサービスの説明さえすれば、概ね契約につながります。
一方で、保険営業の場合は、マーケティングとセールスを両方やらないと、契約にはつながりません。これが意外と盲点で、私も長年、保険営業をやってやっと気付きました。保険会社はそのようなことは教えてくれませんし、マニュアルなどもありません。自らの頭で考え、行動し、マーケティングとセールスの両方の知識・能力を身に着けていくことが、保険営業には求められるのです。
2.重点を置くべきは、マーケティング
では、ドクターマーケットで保険営業を行うには、マーケティングとセールスのどちらに重点をおくべきかという問題についてですが、マーケティングに重点をおくべきだと即答できます。”マネージメント発明者”とも呼ばれるピーター・ドラッガーは「優れたマーケティングは、セールスを不要にする」と言いました。マーケティングがきちんとしていれば、顧客に余計な説明をする必要もないのです。
営業において一番重要であり、一番難しいのは、目の前に見込み客がいる状態をつくることだといえます。「私たちの商品サービスに、興味を持ってくれているドクターと面談ができるか」、そして、「私たちの話を聞きたいと思ってもらえるか」が、何よりも大切なのです。
3.ドクターマーケットで狙うべき顧客層
見込み客をつくるのは、いくつかのステップがあります。ポイントは、「セグメンテーション」にあります。まず最初に顧客をグループ化します。
クリニックの開業のサイクルは、「開業期」「成長期」「安定期」「継承期」の4つに分けられます。ただし、開業何年目で、どのタームに入るかは、ドクターの年齢、キャパシティ、診療圏などによってさまざま。3年で安定期に入るクリニックもあれば、10年位かかって安定期に入るところもあります。
4.ドクターマーケットの新規開拓の際には、4つの中でどの層を狙うべきなのか?
諸々のデータ分析により、売上が右肩あがりの時期である「成長期」と、売上が頭打ちになり、横ばいになっている「安定期」にあるクリニックを狙うべきだと言われています。
また、開業してからおおよそ3~10年目の、医療法人化していない個人診療所であることも重要です。上記の状態にあるクリニックは、往々にして、経営に関する課題(税金)を抱えています。私たちが保険営業パーソンとして、ドクターの求めていることを伺い、悩みを解決できる方法を考え、適切なサービスを提供することで大きな契約につなげることが可能です。
ポイントは、「節税」
成長期・安定期に入った個人診療所の経営の課題を解決する鍵は、「節税」にあります。具体的にどうやって解決するかについては、今後このブログでお話をするつもりです。ドクターに対して保険の営業を成功させるには、「経営の相談相手」になることが大切であると、私は考えます。真剣にドクターマーケットに取り組むのであれば、診療所の「税務・会計」や「医療法人」に関する勉強は、必須です。最低でもそれぞれに関する本を各5冊くらい、何度も繰り返し読むことをおすすめします。
※ご不明点やお悩みなどをすぐに解決したい場合は、「お問い合わせ」よりご気軽にご相談ください。