【コラム9】他病院への紹介状を書くことはメリットにつながる~かかりつけ医であり続ける工夫とは
個人診療所であれば、CTやMRI導入せずに売上を上げる方法がある
前回、先生のご専門の科で必ずしも必要ではないのに、CTやMRIを導入するべきか?というお話をさせていただきました。「リースならなんとかなるだろうし、患者さん受けがいいから導入する。診断精度があがるのは好ましいことだし」そうお考えになる先生も多いようです。
しかしながら、自由診療を導入していないのであれば、医院の収入は健康保険からの診療報酬のみです。スタッフの給料、賃借しているのであれば医院の賃料、医薬品・衛生用品の支払を終えた後に、これらの高額なリース支払(もしくは購入の分割支払い)がかかってきてしまいます。
もし、これらの高額な診療装置や診断装置を導入したいとお考えの場合は、先生のご専門の科でポピュラーな疾患を平均指標にし、「一日何人患者さんが来院すれば経営が回るか」というシミュレーションを行うことが重要です。
CTやMRIが絶対必要な科であっても、診療所や個人病院であれば、無理に導入せずに売上を上げる方法をご紹介します。
大学病院や基幹病院で診察を受ける場合は、紹介状が無ければ高額になることを逆手にとる
先生もご存じのとおり、大学病院や基幹病院で診察を受ける場合は、紹介状がなければ患者様に別途負担が生じることはご存じかと思います。
これを逆手にとってしまうのです。病床数の多い病院を開業するならいざ知らず、診療所や医院を開業するのであれば、いくら先生の診療技術が優れていても、必ず他院へ紹介を行わなければいけない患者がでてくるのは避けられません。つまり、開業後に他科の先生や基幹病院と連携を密にし、紹介状(診療情報提供書)で保険点数を得るほうが長い目でみれば経営的な視点では賢いといえます。(現行では診療情報提供書を書く場合3割負担の方は750円ですから、お金のことで患者様と問題になることはないでしょう。
「かかりつけ医」であり続ける工夫を忘れずに
ただし、患者様は大学病院や基幹病院への紹介状を書いてもらえて「高度な医療が受けられる万歳!」と思っている方はあまり多くはいないのが事実です。信頼した先生に治癒に至るまで診ていただきたいというのが本音です。さきほど、高額な医療機器を導入するケースのことを話しましたが、患者さんにとってもっともメリットが大きいのは、最新の治療を受けることではなくて、一人の先生に最後まで診てもらえることなのです。
患者が医療を受けるのは「安心」を得たいから
患者様が医療を受けるのは、健康を回復するのはもちろん一人の医師に診てもらって安心を得たいという理由がとても多いです。
紹介状を出す時は、現在までの治療経緯をできるだけ丁寧に説明し、「医療は石橋を叩いて渡る」ことが大事だから大きな病院で検査や診療を受けたほうがいいと思ったこと・「普段の治療が受けられてかつ生活にも差し障りがないように一緒に考えていきましょう」と患者様の立場に立って生活と病状を考慮した姿勢で対応してあげてください。回復が見られた患者さんは、再び先生を「かかりつけ医」に迷わず選ぶはずです。
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