アイキャッチ

【コラム8】最新の機器や大型・高額医療機器は開業時に導入したほうがいいのか

【コラム8】最新の機器や大型・高額医療機器は開業時に導入したほうがいいのか

今回のコラムのテーマをご覧になられて、何をいわんとしているか疑問に思われた先生も多いと思います。
当然、先生が大学ご卒業後、修練を積んでこられた科においては、CTやMRIの画像診断装置がなければ、診療や手術が不可能というケースも多いでしょう。

「費用対効果」「売上目標」

今回のコラムでお伝えしようとしていることは、CTやMRIを購入したり、リースするなということではありません。「費用対効果」「売上目標」のことを、心の隅に置いていただきたいということです。

たしかに、高額な画像診断装置や診療の装置があれば、患者さんは利便性が高くなります。しかしながら、医院に対価として支払われるのは、自費診療を行っていない場合、健康保険からの診療報酬のみなのです

スタッフの給与を支払って、衛生用品・医薬品の仕入れをペイして、テナントビルなどの賃借オフィスで診療をされている場合なら家賃も支払わなければなりません。その残った診療報酬から、高額な画像診断装置や診療機器のリース料、分割の購入費を支払った場合、経営は果たして安泰と言い切れるものでしょうか?

 

無理なき経営を第一に

大学や民間病院で働いておられたころは、これらのコストは全て、先生ではなく病院が支払っていました。しかし、個人で開業されるということは、経営者としてこれらのコストを全て支払う責任を負うこととなります。これは、実際にやってみてからその難しさを痛感するとつぶやく先生がほとんどです。

もちろん、患者によって診療報酬は変わりますから、一概なことは言えませんが、先生が専門とされる科においてのポピュラーな疾患(もっとも多い病態・疾患名)の診療報酬の総額は概算できるはずですから、月に大体何人診察すれば、無理なく経営が成り立つかは、ある程度計算できたりもします。

もし、借入金を作ったり増やさなければならない経済状態で、これらの診断装置や診療機器が不要であるなら、基本的には導入をやめておくべきと自信をもって判断することも可能です。

 

高額な医療機器がないと患者が来ない・・・?

診断装置や診療機器を無理して導入される先生の大多数は、「他の先生に患者を取られるのではないか」という心理が働いているようです。たしかに、患者様は、最新の機器や大型機器が揃っている医療機関を選択する傾向にあります。しかしながら、そういった診断装置や医療機器がある病院に行きたがるのは、高度な治療を受けたかったり、できるだけ一か所の病院で済ませたい(ワンストップサービスを求める)という顧客心理が働いています。

地域性の高い個人クリニックには「ワンストップサービスでなくてもよいから、高度で適切な医療を受けたい」という患者様ももちろん来ます。こういった患者を丁寧にケアすれば、高額な診療機器や治療機器を導入しなくても、売上は十分に伸びるだけでなく患者様らも信頼される結果を積み重ねていくことができます。その詳細は次回、じっくりご紹介させていただきます。

 

 

※ご不明点やお悩みなどをすぐに解決したい場合は、「お問い合わせ」よりご気軽にご相談ください。