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【コラム7】すべての患者が大病院志向とは限らない~患者の転院を防ぐには?

【コラム7】すべての患者が大病院志向とは限らない~患者の転院を防ぐには?

紹介状を書いたあとそのままにしてませんか

クリニックを開業すると、勤務医時代に培った知識と技術を全て利用できるとは限りません。多くの場合、自院で診療(手術など)が不可能であれば、ご出身の医局や他のおつきあいのある病院に紹介状を書くことで終わってしまうことが多いと思います。

もちろん「臨床歴を積み開業した今だからこそ、患者様に貢献できる知識や技術がある」と考える先生も少なくないと思います。医師としての使命という面だけではなく、実際のところ、多くの患者さんに医療技術を提供しなければ経営が難しくなるわけですから、そう思われるのは当然です。

知識や技術を診療の中で提供し、売上につなげるには?

地域の医師会に加盟した際に、バッティングしない科で、なおかつ連携が必要な他科の先生と人間関係を構築しておくのです。男性医師同士なら飲みに行くのもいいでしょうし、異性の先生なら、「連携による診療」といった大義名分を直接出されてもよいかと思います。

すべての患者が大病院志向とは限らない。

具体的な例を一つ上げます。

睡眠時無呼吸症候群(SAS)という疾患がありますが、大多数の場合、患者は症状すら気づかず、疲労感や、日中の眠気などから心療内科や精神科を受診するケースが珍しくありません。また、高血圧と診断され、降圧剤を服用しているものの起床時の血圧が高いなどといった症状は、内科専門医でも見落としがちだと言われています。

もちろん、専門の病院で診察を受けていただく必要がある場合もあります。しかしながら、耳鼻科で肥厚性鼻炎・鼻中隔湾曲症などの治療を受け、歯科で、舌根が落ち込まないようなマウスピースを付けて就寝してもらうだけで、病状が改善するケースもあります。

よく患者さんは、大学病院などの大きな病院を受診したがるという方がいらっしゃいますが、必ずしもそうではありませんきちんと診断がつき、正確な治療ができてQOLが向上するのであれば、できるだけ生活圏内の病院で治療を受けたいと考える方も少なくありません。

 

患者の転院を防ぐために

以前、同科の先生が多数開業している以上、接遇如何によっては患者さんが他科に自主的に転院してしまうことがあると述べました。それはたしかに事実です。しかしながら、同科の先生であっても、ご専門が分かれることも珍しくないはずです。地域の医師会を上手に利用して、連携できる開業医ネットワークを作り、患者さんに負担をかけず、かつ、確実に売り上げを上げていく方法があるのも事実です。

だからこそ、同じ地域で他のクリニックや医院、医師とのネットワークを深めておくことは非常に重要なのです。

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