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社長の紹介

社長の自己紹介

代表取締役 三橋泉


1997年から現在まで、医療業界の専門FPとして数多くの活動・実績を積み上げてきました。 今までお会いした院長先生や院長夫人はゆうに2000名を超え、関わるすべての方々に対し常に全力で取り組んでまいりました。集患の悩みから医療法人化まで、様々なフェーズに対応可能ですので、是非お気軽にご相談ください。

 

開業医専門FP事務所誕生までのストーリー

Chapter 1

転職は成功したかに見えたが・・・

92年11月、これまで勤めていた輸入車デイラーを退職し、外資系生命保険会社に転職した。最初の約2年は、前職のお客様や同僚、知人、友人、そして彼らからの紹介で成績は好調だった。売上の予算も余裕で達成でき転職は、成功だった。2年目には、前職の収入を超え、どこまで自分の収入が上がるのか、毎月の給与明細を見るのが楽しみだった。

ところが、転職から2年が経過したころから、雲行きが怪しくなってきた。友人、知人からの紹介入手が難しくなり、営業できる見込み客が、目に見えるように減っていった。それに比例するように毎月、コンスタントに契約が取れていたのが、ウソのように契約が取れなくなった。

原因は、見込み客の枯渇である。

何とか自力で見込み客を開拓しなければという危機感から、電話帳を片手に個人宅や法人へのテレアポ営業や、保険会社から配布されたチラシを抱えて商店街に飛び込み営業にもチャレンジした。

しかし、どれも効果が出なかった。

3年目は、新規での契約を獲得できない月が多くなった。収入も激変し、保険会社の査定も最低ランクまで落ち込んだ。このままでは、生活すらできなくなるという不安や焦りで頭の中が一杯になった。何とかしなければならないとわかっていても、どうしていいのかわからない不安な日々が続いた。上司にも相談してみたが、満足いくような回答は得られず日に日に仕事に対する意欲が薄れて行き、しだいに保険営業の仕事が嫌になっていった。

そもそもこの仕事は、自分に向いていない、保険営業の仕事は、大の男がやる仕事ではない、成績が上がらないのは、会社が悪い、商品が悪い、上司が悪い、原因は、自分にあるのではなく、周りにすべて原因があると、自分に言い訳をして、いつの間にか転職を考えるようになっていった。

3年経過時、もうすでに同期24名のうち、私を含めて6人しか残っていなかった。当時、保険会社のサバイバルレート(生存率)は、5年で10%という数字を週刊誌で目にしたが、それもあながち嘘でなないと実感した。90年代前半は、80年代終盤のバブル崩壊の影響があるとはいえ、不良債権問題の後始末を先送りしていたため、デフレ不況が本格化していなかった。そのため中途採用で求人公募している企業も多く、簡単に転職できるものと考えていた。

ところが、そんな甘い期待も一瞬で吹き飛んだ。数社、公募していた企業の中途採用試験にトライしたものの受け入れてくれる会社は、一社もなかった。

Chapter 2

転機

そんな時、私が在籍している保険会社で外部講師を招いた営業セミナーが開催されることになり、上司から参加してみないかと誘われた。時間も余っていたので参加してみた。

全く期待していなかったセミナーだったが、セミナーの序盤で講師の言った一言が心に突き刺さった。人生は、一回きり、二度ない人生、中途半端に生きるのも一回、一生懸命生きるのも1回、人生どう生きるのか、選ぶのは自分次第、もし、皆さんが今の仕事で悩んでいるとしたら、一回だけ真剣に、今の自分に向き合ってみては、いかがでしょうか?そうすれば、必ず世界は、変わります。

これまでの自分は、いかに中途半端だったか?ということに、この講師の言葉で気づかされた。常に周りに責任転嫁し、真剣に仕事に取り組んでいなかったのではないか?人生は、一度きり、ここで辞めたらきっと後悔することになる。死ぬ気で努力して、それでもダメだったら、諦めよう。まだそこまでやっていないのに、簡単に諦めるのは、情けないと。そのセミナー講師の言葉で目が覚め、もう一度やってみようと決心した。

Chapter 3

モデリング

4年目にクリニックに電話営業(テレアポ)を始めたのが、今の自分を作るキッカケとなった。
私が所属するオフィスが都内に集約(統合化)された。医療マーケットで成果を挙げている営業社員が、たまたま隣のオフィスに在籍していた。時間を持て余していたので、隣のオフィスから聞こえてくる電話でのやり取りをノートに記録し、完コピしてみることにした。

DMをクリニックに送り、到着した頃、昼、夕方の時間帯にテレアポしていくスタイルで、トーク内容は、生命保険の見直し、生命保険の診断といった単純な内容であったが、そっくりそのままトーク内容を真似て、昼と夜の時間帯に数十件、来る日も来る日もテレアポを続けた。

1ヶ月後、クリニックの院長にアポが取れた。生命保険の見直しを希望していたため、現在の契約内容の問題点を指摘し、乗り換えの提案を行った。運よく契約になった。90年代後半は、生命保険に加入している人の大半が契約内容も分からず、担当者からただ勧められるまま加入している人が多く、当時は、まだまだ日本流のGNPセールス(義理、人情、プレゼント)を重視した営業スタイルが全盛で、保険料や保険内容より担当者の熱意や義理が優先された。

そこに外資系保険会社特有のコンサルテイング営業でお客様のニーズや目的に合わせてオーダーメイドで保険を設計するという新鮮かつ斬新なコンセプトが、受け、約20~30件に1件位の割合でアポが取得でき、面談出来れば、7~8割位の確率で契約になった。

Chapter 4

ターゲットセグメンテーション

97年から99年までの3年間、クリニックにテレアポ営業を続け、成果を挙げることができた。99年に保険会社の報償旅行があり、医療マーケットで成功している先輩社員から話しを聞く機会に恵まれた。その先輩社員に医療マーケットで成功するための秘訣を質問してみた。
その先輩は、一言、「医療マーケットで成功したければ、医療マーケットに完全特化することだよ!」その言葉を信じ、他のマーケットは、一切やらない。医療マーケットに100%特化することを決意した。

ターゲットの絞り込みをした上で、効率的にアポを取得するために、何をやるべきかを考えた。その結果、ターゲットをリサーチして医療業界に関して情報収集することにした。

以下は、私が行った主なリサーチである。

1.医療業界(医院経営)の書籍を読む
2.医療業界(医院経営者向け)のセミナーに参加する
3.開業医、医院経営者の悩みをネット検索する。
4.医療関連業者から話を聞く

開業医、医院経営者の経営上の悩みや課題を知ることが、ドクターと信頼関係を築く上で重要であると考えた。

Chapter 5

販売スタイル

ある日のこと、たまたま立ち寄った書店で、一冊の本が目に留まった。
セールスの「超」能力を創造した男・ソニー生命の樋口正美という伝説のライフプラナーの怪物ぶりについて語られていた。

昭和61年第一次医療法改正が施行され、一人医師医療法人制度が解禁になった。これまで医師が3人以上、常勤で施設に在籍していなければ、医療法人化が出来なかったが、改正によりドクターが一人、施設に在籍していれば、法人の設立が可能になった。

つまり診療所(クリニック)の医療法人化が認められることとなった。樋口氏は、改正を機に診療所の法人設立ラッシュの波が到来することを予期し、全国の税理士、金融機関をネットワーク化し全国各地で医療法人化セミナーを企画、開催した。法人化を考えているクリニックに税理士を紹介し、法人化と保険をセットで提案するという手法で大成功を収めた。

当時3年連続トップの挙績を挙げ続けたトップセールスマンである。医療マーケットに特化することを決意した私にとって、その本には、まさに手本となる内容が書かれていた。
何度も何度も読み返した。この本のおかげで私自身、今後やるべきことが明確になった。
樋口氏と同じやり方を実践することで保険契約を獲得することができると確信した。

・医療法人に詳しくなること
・医療法人化の支援が出来る税理士と連携すること

以上の2点を自分の課題として取り組んだ。
具体的に、取り組んだことは

・医療法人化に関する書籍を読んで勉強する。
・医療法人化セミナーに参加する。
・医療法人に詳しい税理士を開拓する。

2000年の前半から約10年以上、紆余曲折が有りながら、個人診療所の医療法人の設立から設立後のサポートを手がけることができ、実務で貴重な経験を積むことが出来た。医療法人に関しては、今では胸を張って得意分野と言えると自負している。

Chapter 6

どのようにアプローチすればいいのか?

個人診療所の約40%が医療法人でありながら、約60%のクリニックは、法人化しない。
理由は、法人にするほど、所得がない。顧問税理士が法人化の提案をしない。といった2点に集約される。

前者は、法人化による節税メリットを享受できるほど、所得がないクリニックなので、いたしかたない面がある。後者は、顧問税理士の勉強や経験不足で顧客のニーズに応えることが出来ていない現状がある。
これまで、経営が安定しているにもかかわらず、医療法人化してないクリニックの院長先生とお話する機会が多々あったが、法人化していないクリニックの大半は、顧問税理士が法人化に反対していた。

理由は、税理士事務所が医療法人に詳しくないため、法人化の対応ができないからである。その中で医療専門と謳っている税理士事務所も数多く存在した。
医療法人化したいが、顧問税理士から、医療法人に関する情報提供がない、或いは医療法人化しない方が良いという間違った認識を持っているドクターや法人化を諦めているドクターが決して少なくないという事実がある。

一人でも多く、そういったクリニックの院長の悩みや問題を解決したい。そのことを院長に分かってもらうために、医療法人化の支援を積極的に行っていった。
およそ、10年以上の間、成長、安定期の個人診療所に医療法人に関する情報提供を行い、医療法人の設立手続きを連携している税理士と一緒に設立業務のサポートに取り組んだ。

その際、FPという立場から法人化した場合のキャッシュフローシミュレーションを行い、法人化メリットを最大限に生かすための税対策や生命保険の活用についてアドバイスを行っていった。この一連のセールスモデルをマスターしたことが、自分にとって大きな武器となった。

Chapter 7

ソリューション営業

2010年以降、医療法人化モデルを主体とした営業スタイルに陰りが見えてきた。
何となくであるが、こちら側が提案する前に顧問税理士から医療法人に関する情報を得ているケースが増えてきた。

医療専門の税理士事務所の存在である。彼らは、医療法人の設立及び生命保険の手数料と法人化後の顧問料を収益源にしていたため積極的に法人化の提案を行っていた。
2000年前半の開業ブームを契機に医療分野を強化する税理士事務所や新たに参入する税理士事務所が乱立し始めた。

実績のある大手税理士事務所は、開業支援業者や開業コンサルと連携し、積極的に開業支援に取り組んだ。その結果、開業医の税務顧問契約の大半は、一部の医療系の大手税理士事務所が独占することとなった。

その結果、面談できたドクターに法人化の提案や法人化を予定しているクリニックに保険コンサルテイングを行っても、顧問税理士事務所が、医療専門なので、そういったことは、全て任してあるから結構です。という断りを受けることが多々あった。改めて、顧問税理士の影響力の強さを実感した。たびたび、そういうケースに遭遇したが、なすすべがなかった。

そういった税理士事務所と競合した場合、どうすればいいのか?
選ばれるためには、何をすれば良いのか?真剣に考えた。

税理士業界、税理士事務所を徹底的に研究した。

行ったことは、

・医療専門税理士事務所と交流して情報収集する。
・顧客から顧問税理士に関してニーズ調査を行った。

その結果、大手の医療専門税理士事務所の弱点が見えてきた。医療専門事務所といっても、担当者によって品質にバラつきがあること、顧客の要求に応えられていない等、事務所に不満を持っているドクターは、少なくないということである。

当たり前である。

担当者の能力は、人によって違いがある。すべての担当者が優秀であるとは、限らない。税理士事務所の商品は人であるがゆえに、どれだけ採用や育成に力を入れていても残念ながら、当たりはずれがある。実績がある税理士事務所と顧問契約しても、担当者次第という点は、否めない。

税理士と顧客の間にミスマッチが生じる理由

・顧問税理士とドクターの間に情報格差がある。
・開業期のドクターは、会計、税務の知識をあまり持ち合わせていない。
・開業コンサルや開業支援業者からの紹介に頼りきっている。
・開業時の段階では、税理士の存在をあまり重要視していない。

以上の点でドクターの大半は、開業時、事務所の規模や知名度のみで税理士事務所を判断し安易に顧問契約をしてしまう傾向がある。ところが開業後、税理士事務所とのやり取りを通じて、担当者の仕事ぶりが分かってくると、そこで不満が顕在化する。

そういった背景から自分の期待値を満たしてくれるかどうか、お付き合いしてみないと分からないという構造的な問題を抱えている。開業予定のドクターには、上記に掲げた情報のギャップを埋めるための啓蒙活動を行っていくこと、開業されているドクターには、顧問契約の内容に耳を傾け、顧客が不満を抱えている場合、解決策を提案することで、顧客にすることができると考えた。

その時、付き合いのある税理士事務所で偶然知り合った担当者から独立したいと相談された。常々、顧問契約の良し悪しは、事務所の規模や知名度では、測れない。担当者であると考えていたので、その税理士の仕事ぶりを日頃、見ていて信頼できそうだったので、その税理士とパートナーとして提携した。

ドクターと面談が出来た場合、以下のことをヒアリングした。

・顧問税理士のサービス内容
・巡回頻度
・顧問料
・満足度

FPという立場からドクターの顧問税理士に対する客観的な評価を行った。
ドクターが普段、接している人達(金融機関、業者、士業)の中で、税理士の業務や税理士業界について語れる方は、ほとんどいないので、ドクターから非常に重宝された。

たいていのドクターは、開業期から付き合っている税理士事務所しか知らないので、他の事務所や税理士業界についての情報を求めている場合が多く、特に第三者からの客観的な意見やアドバイスを欲していた。

Chapter 8

独立

2014年3月 これまで22年在籍した保険会社を退職し開業医専門FPとして独立した。
ここ10年間、やってきたことは、クリニックの経営支援である。結果として保険契約をいただくことを生業にしてきたわけだが、保険が売れる、売れないに関係なく、開業されるドクターや開業医を支援していきたいという想いから、FPとして自分しかできないことでドクターに貢献したいという気持ちが年々、強くなっていった。特にビジネスパートナーとして、顧問税理士が機能していない現状を知り、顧問税理士と顧客の橋渡しになれるのではないか?

また、税理士とFPが一緒に関与することでクリニックと院長先生個人の資産全体を包括的にサポートできると考え、開業医専門FP事務所を設立した。DLSパートナー株式会社の誕生である。DLSは、ドクターズライフサポートパートナーの略称である。ドクターの人生全般に携わり、より良き幸福な人生をサポートして行きたいという理念から、このネーミングにした。

ドクターに提供するサービスは、これまでと特に変わらないが、主な業務として3つを掲げている。これまでの経験の中で、自分の最大の強み、ドクターに自信を持って提供できるサービスである。
①財務コンサルテイング パートナー税理士と一緒に財務改善、税対策の提案
②保険コンサルテイング
③医療法人の設立支援、設立後の運営サポート等、事業ミッションは、ドクターの時間と利益を創り出すことである。

ドクターが診療に専念できる環境を提供できるよう経営上の課題をワンストップで対応すること、つまり、私どもが関わることでドクターの時間と経済的な利益を創り出すことである。

Chapter 9

クリニックマーケテイング

2018年夏ごろ、関西中心で活躍されている集患マーケターのN氏との出会いがあった。
長年にわたり医療機関の集患・増患の分野で実績を挙げ続けているマーケテイングのプロである。N氏と約2年弱、一緒に集患・増患支援のビジネスをお手伝いした。昨年のバレンタインデーショックにより保険税務が改正され、節税保険が規制され、法人向けの保険提案が困難になった。

これまで通り、医療法人に保険を販売していくことに、危機感を感じていたこともあり、FP業務から集患・増患支援業務に自分のビジネスの軸足を移すことにした。
N氏から集患・増患マーケテイングの極意を学び、クリニックの集患・増患支援業務に携わることができ、少しずつ成果を出しつつある。

今後、クリニックの集患・増患を考えるうえで、リテンションマーケテイングというマーケテイング手法の考え方を取り入れることが重要であるということを、実務経験から学んだ。リテンションとは、日本語で略すると顧客関係維持、保持であるが、商品やサービスを提供する会社が顧客との間に親密な信頼関係を作り、購入してくれた顧客をリピーターに、リピーターからファンになるような活動を行い、顧客と会社の相互利益を向上させることを目指す総合的な経営手法である。

他業界では、その考え方を取り入れている企業は、多いが医療機関では、まだまだそのような考え方でマーケテイングを行っている施設は、少ない。

「かかりつけ医として地域の人々に寄りそりたい」「地域住民の健康増進に寄与します」といった経営理念を掲げているドクターには、心から尊敬に値するが、いかに立派な理念を掲げていても、患者さんに足を運んでもらわない限り、理想とする医療を実現することはできない。集患・増患の問題は、クリニックを営んでいる間、一生付きまとう。

集患・増患は、ドクターから分かり易い価値であるがゆえ、開業コンサルや顧問税理士の言葉を鵜呑みし、集患・増患対策に着手するものの、結果が伴わないケースに数多く遭遇した。
私どもは、他のコンサルタントや顧問税理士から推奨する集患・増患手法とは、全く違ったやり方、リテンションマーケテイングを駆使した集患・増患手法で成果を出すことで、信頼していただき、医業収入の増加から発生する利益の管理、タックスマネジメント、個人の可処分所得の最大化、財産管理等、ドクターのお金周りをトータルでお手伝いすることを目指している。

FPだけでは、業務を完結することが不可能なので、専門の税理士と連携し、チームで対応することをコミットメントしている。これまでの経験から、ドクターのライフステージ(開業期、成長期、安定期、継承期)ごとに発生する課題すべてに対応できるよう時間をかけて体制作りを行ってきた。手前みそではあるが、個人事務所としては、オンリーワンであると自負している。

Chapter 10

パーソナルブランディング

独立以来、こだわってきたのは、パーソナルブランディングである。開業医に対してサービスを提供している競争相手(FP、コンサルタント、税理士)と差別化を図るために、自分たちの強みをどう伸ばしていくか?開業医のライフステージごとにどういう価値を提供していけば、唯一無二の存在になれるか?ということを念頭に活動してきた。まさしく継続は力なりである。

これまで何とか開業医マーケット1本で長い間、ご飯を食べることが出来た要因を一つだけ挙げるとすると「開業マーケットを選んだこと」とその選んだマーケットを途中で辞めないで続けてきたことである。何の才能もセンスも必要ない。

私みたいな凡人でも続けてきたことで、成果を出しつづけることができるのである。
一昨年、FP、士業向けの開業医マーケット開拓セミナーで登壇の機会を頂いた時にも、力説したが、開業医マーケット開拓に魔法の杖は、存在しない。正しいやり方で、当たり前のことを日々愚直に継続することが大事である。そして自分自身がプロにならない限り、ドクターから相手にされない。なぜならば、プロは、プロとしか付き合わないからである。

相手が成功しているドクターであれば、なおさらプロとして高いレベルの仕事を要求される。冷徹な事実である。セミナーに参加し、付け焼刃的にテクニックやノウハウを習得しても、無駄である。
洞察力に優れているドクターには、すぐ見抜かれてしまう。

世の中には、すぐに成果を出せることを匂わし、受講者にとって心地よい響きがある高額なセミナーが蔓延している。何かのキッカケで一時的に成果を挙げることができても、継続的かつ長期的に成果を挙げ続けることはできない。そんなことは、冷静に世の中を見渡せば分かることである。

例えば、各方面で成功者として活躍されている方のほとんどは、長い年月をかけて自分の専門分野での能力や技能を徹底的に磨き上げてきた人たちばかりである。それこそ、人には、言えない血の滲むような努力を継続してきた結果である。FPも決して例外ではない。
しかしながらFP業界で真実を語る方が少ない。その理由は、プレイヤーで少し実績を挙げた方々が、ビジネスの対象を開業医から、同業者にシフトして研修やセミナービジネスで収益を上げることができるからである。

言葉は悪いが、開業医を騙すより、同業者を騙す方が簡単だからである。
「資本主義とは、無知であること、愚かであることに罰金を科す社会である。」いつの時代でもリテラシーの低い人々が供給者の餌食となる。結局は、自己責任である。私自身も過去にたくさんの高額なセミナーに参加して失敗した。ただ失敗から学んだこともある。

物事の本質を見抜く洞察力が、磨かれた。おかげで本物と偽物かを見極めることができるようになった。仮に少々失敗しても、立ち直れない程の失敗さえしなければ、その失敗から多くのことを学ぶことができる。そしてその失敗を糧に努力を継続していけば良いのである。

そうすれば、必ずチャンスは、訪れる。大事なことは途中で辞めないことである。今後、ITの進化やAIの台頭でFPや士業のビジネスが機械にとって代わられることが予想される中、ますます私たちを取り巻く環境が厳しくなる。今後、私たちが生き残っていくためには、人しか提供できない価値を模索していく以外、方法はないと言える。例えば顧客に寄り添った提案やアドバイスができるビジネスパートナー、ブレーンという立ち位置である。

本当に顧客のドクターから感謝される存在である。具体的には、ドクターが達成したい目的をより深いレベルで把握し、そのための手段を幅広い視点から提案し、達成を支援する存在(経営参謀)である。時代が変わっても、顧客のドクターから、生涯にわたり必要とされる存在になるためには、目の前の顧客と真剣に向き合い、その顧客に何ができるか、どのような貢献ができるか、24時間、必死に自分の頭で考え、自分で出した結論を行動に移していく。日々その繰り返しをしていく以外に道はない。