第19回「スタッフが突然、退職を申し出た時は?」

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患者様の支持を集めて医院経営を成功させるには、大別して3つの要素があります。「事務員の管理と教育」「医院経営に詳しい税理士への依頼」「営業意識を持つ」ことです。

真面目で優秀なスタッフほど、突然離職を申し出やすい

医療機関に限らず、スタッフが突然離職を申し出ることがあります。「就業規則に退職の申出は1か月前までにと書いてあるだろ?」などと説得しても、のれんに腕押し。

まったく聞く耳を持ってもらえず、翌日から出勤しなくなったなどというケースもあるようです。

こういった状態に至ってしまう方は、多くが真面目で責任感が強い方です。まじめで「ノー」と言えない性格であるがゆえに、他のスタッフが、仕事を押し付けて負担に耐え切れなくなるケースが少なくありません。

以前のコラムでお伝えしたように、コ・メディカルと事務スタッフの役割を再確認するミーティングの開催や、医療機関の長でもあり、雇用主である先生が定期的に面接を実施することが重要です。

退職を申し出る職員は、実は必ずしも辞めたいとは思っていない

とはいえ、こういった「直訴」を申し出られた場合、人員に余剰がなければ、辞められては困りますよね。

実は、このような職員は、必ずしも退職の意志が固まっているとは限りません。仕事をする上で、何らかの支障があり、それが耐えられないがゆえに退職を直訴していることがほとんどです。

いうなれば、本人が理不尽と感じている職場の問題を解決してもらえるなら、継続して働きたいと考えていることがほとんどです。

「傾聴」から、問題が解決すれば、辞める必要はないんじゃないか?と促す方法

コ・メディカルの方であっても、自分の心情を的確に説明することに慣れているとは限りません。このような場合、まずは申出を傾聴しながら、「仕事自体が嫌になったわけじゃなくて、なにか問題が解決できないから、辞めたいと思うようになったのではないか?」と質問されてみてはいかがでしょうか。

本当に、仕事が嫌になって耐えきれないのであれば、何も言わずに職場に来なくなることが考えられます。つまり、雇用主である先生に善処を求めているから、辞職をわざわざ申出ているわけですね。

その中で、改善してほしい問題が具体的に出てくることもあると思います。中には、たどたどしい訴えで、よくわからないケースもありうるかと思います。その際は、適宜質問して、離職希望者の考えを整理させるとよいでしょう。その上で、解決できる問題であれば、その旨を説明してあげてください。また、改善が難しい問題の場合は、率直にそのことを伝えてあげてください。その上で、将来的なロードマップを示し、改善を図っていく考えを示すと、離職を撤回するケースが少なくありません。

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