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【第16回】なぜインターネットのデマ医療情報は、医師の説明より共感を呼ぶのか

【第16回】なぜインターネットのデマ医療情報は、医師の説明より共感を呼ぶのか

患者様の支持を集めて医院経営を成功させるには、大別して3つの要素があります。

「事務員の管理と教育」「医院経営に詳しい税理士への依頼」「営業意識を持つ」ことです。

 

デマ医療情報を信じる患者様の心理を理解すれば、増患も可能になる

どう考えても治癒や寛解はおろか、病状が悪化しかねないデマ医療情報が、患者様の間で信頼性を持って語られることがあります。

つい先日、大手インターネットサービス会社が運営する医療情報サイトが、あまりにも荒唐無稽な情報を提供しているとして、社会的な問題になりました。同社のサイトは閉鎖されましたが、報道後もサイトが閉鎖されるまで、一定数の閲覧者がいたようです。

患者様の病状の診断や治療方針については、医師によって見解が分かれることが珍しくありません。しかしながら、100人の医師が全員否定する明らかに誤った情報であっても、患者様が信頼しきってしまうケースは少なくありません。

様々な理由がありますが、患者様がデマ医療情報を信じ切ってしまう心理の裏側には、次のような理由があります。

 

利害関係がない、同じ経験をした人物の情報は共感を呼びやすい

医師の治療は、患者様と一線を引いた向かい合う関係でないと成立しません。しかしながら、インターネットや口コミであふれるデマ情報は、同じ病気を経験した利害関係がない他人が寄り添う立場で、情報発信していることが大多数です。そのため、他の患者様が警戒心を持ちにくく、盲信しやすい傾向があります。

 

医師の説明が理解できないことを伝えられない患者様がまだ多い

同じ病を経験した人の意見を盲信しやすい心理の裏側には、医師の説明の不明点や治療について、自分の不安を伝えられないケースが多々あるといわれています。患者様からすれば、医師には治療を受けるものであって、自分の希望や要望を積極的に伝えるべきではないと考える方も少なくありません。また、きちんと愁訴を言語化して質問できず、治療を受けた後に、「言いくるめられた」と錯覚するケースがあるとされています。

 

気になる点を箇条書きにしたメモを作るように宿題を出すと再診率向上・紹介につながる

つまり、患者様が、診察の際に医師に質問したいことを短時間で全て伝えられる方法があれば、第三者の根拠のない情報に振り回されにくくなりやすいのです。

解決方法の一つとして、患者様に宿題を出す方法があります。自分の病気について気になることを、A4 1枚程度の用紙に自宅で全てメモしてもらい再診時に持参してもらうのです。全ての質問について解説する必要はありません。

治療について必要な質問だけを解説するだけでも、患者様は愁訴を全て伝えられたと感じ、医師を信頼しやすくなります。重要な疾患の朝貢を知ることができる可能性もありますし、何より定期的な受診が必要な患者様に対して、再診を適切に促せるというメリットがあります。

また、満足度が高い患者様が、「利害関係がない第三者」として、同じ病状でお悩みの患者様に、先生のクリニックへの受診を勧めてくださるケースが増えるのも、大きなメリットといえます。

 

 

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