【第24回】やる気のあるスタッフを放置すると診療は崩壊するのか
患者様の支持を集めて医院経営を成功させるには、大別して3つの要素があります。
「事務員の管理と教育」「医院経営に詳しい税理士への依頼」「営業意識を持つ」ことです。
医療機関に限らず、やる気のあるスタッフは、咽から手がでるほどほしいものです。
医療機関においては、看護師、医療事務ともども役職に関係なく言えることだと思います。
お互いの仕事をカバーしあって、患者様にフラストレーションを感じていたさせることなく、診療体制を充実させられるなら、増患につながることと思います。
なぜなら、大多数の患者様にとって、医療機関の評価はドクターの見識と治療だけでなく、コ・メディカル、事務員の対応で心証が決まってしまうからです。
そのようなことから、出勤時間より早めに出勤したり、契約の定時を過ぎても帰宅せず、残務処理をするスタッフもいるかと思います。
やる気はありがたいですが、36協定を労働基準監督署に出さなければ、違法行為として摘発されかねません。また、時間外手当として賃金を支払わなければ、同じように労働基準監督署の指導を受けるはめになりかねません。
問題はまだあります。
出勤時間より自主的に長く働くスタッフが出てくると、他のスタッフが暗黙のうちに反論できない空気ができあがってしまいます。
結果、残業・早出が織り込みずみになり、先に述べた労働基準法違反に問われる可能性が出てくるだけでなく、全体としてモチベーションが下がってしまいます。当然、患者様の対応も不手際が生じやすくなります。
ここは、院長先生からかならず訓示をしていただくことが重要です。
「熱意はとてもうれしいのだが、労働基準監督署からの指導で違法に問われないから、早出・残業は意識して行わないようにして」等、朝のミーティングなどで話すのもよいでしょう。先輩格のスタッフに言えなくて、やきもきしているスタッフもいるはずです。
総責任者である先生から伝えていただくことで、余計な摩擦が生じることなく適性な労働時間で働けるようになり、ほっとするスタッフもいるはずです。中には離職を考えているスタッフもいるかもしれません。
もし、スタッフの離職率が高いなら、このような問題がないか洗ってみることです。
意外に、この問題がスタッフの間でネックになっているかもしれません。
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