【第20回】モンスターペイシェント対策の基本
患者様の支持を集めて医院経営を成功させるには、大別して3つの要素があります。
「事務員の管理と教育」「医院経営に詳しい税理士への依頼」「営業意識を持つ」ことです。
理不尽な行動をする患者を放置すると初診・再診患者が激減する
マスコミでも話題になり、すっかり浸透した言葉ですが、お心を砕かれた先生もいらっしゃるかと存じます。
困ったことに、日本の医師法では、診察を乞われた場合、正当な理由がなければ診察を拒むことができません。(医師法第18条)
とはいえ、開業される先生にとっては、理不尽な患者様が傍若無人な行動をとることで、他の患者様が来院されなくなり、経営が危機に陥るケースも少なくありません。したがって、しかるべき対応を行う必要があります。
反論しない相手には行動が過激になるケースが少なくない
モンスターペイシェント対策について触れる前に、その理不尽な行動が、医学的な問題から生じている可能性がないかを考察する必要があるかもしれません。精神神経疾患だけでなく、症状が進行した糖尿病の患者さんなどでも、人格が変わったように理不尽なふるまいを見せることはよく知られています。
残念ながら、ご本人にいくら諭しても暖簾に腕押しのケースが少なくありません。この場合、同居親族の方との面会の機会を設け、「紹介状を書くので専門医に治療を検討してもらったほうがよい」という対応を行われるのがベストかと思います。
そういった疾患によらず理不尽な行動をとる患者さんは、医院でも対応する方法があります。
怒った口調を見せる 「診察室から出る」といった方法も効果的なことがある
前述の医学的な問題がない患者さんの場合、一番効果的な方法は、怒っている態度を見せることです。もちろん、喧嘩腰で話すのは論外ですが、敬語で丁寧に低い声を意識して話すといった方法や、理不尽な質問をされても土俵に乗らないといった対応を心がけるのも大事です。
たとえば、
「この病院、治療を長引かせて儲けてるそうじゃねえか」
「●●さんのお薬は、こちらになります。薬局でこの処方箋を出してくださいね(低く丁寧な声で)」
「めんどくせえなあ。ここで出してもらえないの?」
「医療機関が不正な収入を得ていると誤解されないために、お薬は薬局で出してもらうようになっています」
これで引き下がらず、暴言を吐いたり恫喝するようなら、警察を呼ぶことも大事です。
先生が診察室で同様の事態に遭遇しても、同じように毅然とした対処が大事です。「警察沙汰」という言葉がありますから、警察に介入を要請することに躊躇されるかもしれませんが、大多数の方は、理不尽な患者さんにシンパシーを感じることは絶対にありません。
数日もすれば、忘れられているのがオチですし、患者様もいつも通り通院してくださいます。
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