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【コラム14】増患への第一歩②「平均単価を細かく計算する」~経営指針を俯瞰しデータ戦略を行う重要性

【コラム14】増患への第一歩②「平均単価を細かく計算する」~経営指針を俯瞰しデータ戦略を行う重要性

新たに開業された先生が患者様の支持を集めて医院経営を成功させるには、大別して3つの要素があります。

「事務員の管理と教育」「医院経営に詳しい税理士への依頼」「営業意識を持つ」ことです。

 

平均単価という考え方

実際に開業された先生の中から、売上が伸びないというご相談を受けることがあります。

立地もよい医院で、先生のキャリアも地域のプライマリケア医としては申し分ない。スタッフの教育も行き届いている。非の打ちどころがない医院なのに、このようなご相談を受けることも珍しくありません。

僭越ですが、こういったご相談をいただく先生の多くが、平均単価という考えを強く意識されていないように思います。一定以上の人口を有する町では、同じ科の先生が開業されていることが珍しくありません。そうなると、患者様は診療を受けやすい先生の医院へ流れやすくなります。

新患を毎月一定数確保することが難しい時代ですから、再診や紹介の患者様を増やさなければ、必然的に医院の売上は減っていくことになります。

 

したがって、宣伝(看板やホームページなど)やスタッフ教育などの工夫を重ねて、新患獲得を常に意識することが重要です。同時に、一人一人の患者様が、平均単価を越えているかを意識し、日々の診療を実践していただく必要があります。

 

内科の平均単価7,590円

社会保険診療報酬支払基金の統計月報(2016年4月版)によれば内科の平均単価は7,590円程度だと推察されます

もっとも院内処方での医院の話ですから、院外処方にされている病院なら5,000円~6,000円程度となるでしょう。つまり、来院数を増やすのが限界になることを考えれば、患者様一人からこれだけの売上が出なければ、十分な医院運営は難しくなるということです。

 

もちろん、科によって、この数字はゆらぎます。しかし、おおむねの患者様一人当たりの単価を意識することで、医院経営の指針が見えやすくなるのは間違いありません。

この数字を必ずしも全てクリアすることはできないかもしれませんが、意識することで、必ず見えてくるものがあると思います。たとえば、本来、診療報酬を請求できる診療を記録していないといったことなどもそうでしょう。

 

診療を行えるのは医院の中で、先生だけです。加えて患者様と対峙して、報酬が発生したことを確実に把握できるのも先生だけです。

報酬が発生する診療を確実に記録することは、収入の面だけに寄与しません。患者様の正確な医療記録を残すということでもあります。また、別の視点からみれば、患者様一人あたりの平均単価は、大多数の先生が標準的な診療を行うと、この価格になるということでもあります。

したがって、一定数の患者様がいらっしゃるのに売上が上がらないということは、必要な検査や診療を見送っていないかという評価もできると思います。開業されている先生はプレイングマネージャーとしての行動を求められます。経営を俯瞰し、より良い診療を行う意味で、数字を活用するのは悪い方法ではないと思います。

 

 

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