【第43回】なぜ患者さんは民間療法に走るのか
Last Updated on 2022年9月29日 by dls-admin
患者様の支持を集めて医院経営を成功させるには、大別して3つの要素があります。「事務員の管理と教育」「医院経営に詳しい税理士への依頼」「営業意識を持つ」ことです。
おそらく大多数の先生方は、日常の診療の中で、民間療法やいわゆる健康食品について熱く語る患者さんの診察にあたられたことがおありではないでしょうか。
効能が低い食品・薬品等に傾倒してしまう患者さんの対応
いうまでもなく、そのほとんどがエビデンスもなく荒唐無稽なものです。中には、特定保健用食品のように、一定の効能が認められているものもありえると思いますが、医薬品ほどの効能がないのはいうまでもありません。
困ったことに、治療を放棄してそのような物に走り、病状を悪化させてしまうケースもあると思います。実際に、ガンの標準治療を放棄して民間療法に走り、亡くなる患者さんの話などは枚挙にいとまがありません。
こういった残念なことはなんとしてでも阻止すべきですが、なぜそこまで患者さんが傾倒してしまうのかについて、患者さんの視点で検討されることは意外に少ないようです。
患者さんがこういった(場合によっては悪意を持って近づく)民間療法に簡単に傾倒してしまうのは、「利害関係にない第三者が説明すると心理的に好感を持ちやすい」「患者さんに質問力がないことをよく知っていて、一番患者さんが知りたいことを的確に答えてくれる」からです。
A4程度の紙に悩みや質問を書き綴ってもらう
特に、患者さんに質問力がないことを見越した説明というのが曲者です。
大多数の患者さんは先生が診察の際に真摯に説明してくださっていることは自覚しています。しかし、質問力がないために、短い診察時間の中で自分の尋ねたいことが質問できず、まるで言いくるめられてしまったかのような錯覚を持ってしまうのです。
こういったギャップを埋めて、信頼感を築くための簡単な方法があります。
診察時に、A4程度の大きさの紙を渡して、自宅で質問したいことを短文で書いてきてもらうようにするのです。
患者さんは自宅で自分が質問したい事項にしっかり向き合って診察に望みます。そのため、短時間の診察でじゅうぶんに満足し、引き続き通院してくれるようになることが多いです。
※ご不明点やお悩みなどをすぐに解決したい場合は、「お問い合わせ」よりご気軽にご相談ください。