ドクターマーケットの保険営業方法「3回目の訪問で、ドクターにするべき質問と対応」

ドクターマーケットの保険営業方法「3回目の訪問で、ドクターにするべき質問と対応」

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こんにちは。私は、開業医専門FPとして活動をしております「三橋 泉」と申します。このブログでは、開業医を顧客にしたい保険営業パーソン、FP、税理士の方のために、営業方法に関するノウハウをお教えしていきます。

前回の記事では、3回目の訪問でドクターに「医療法人化を検討しているか」を伺うべきだとご説明いたしました。

しかし、ドクターによって、医療法人化を考えていたり、そうではなかったり、そもそも、医療法人化について理解が浅かったりと、状況はさまざまです。今回の記事では、3回目の訪問でドクターに投げかけるべき質問と、ケース別の対応をお教えいたします。

まずは、「医療法人化を考えているか?」と聞く

まず初めに、「医療法人化を考えているか?」という質問を投げかけましょう。

【答えが「はい」の場合】

「法人化の時期はいつなのか?」を聞きましょう。そして、「法人化は顧問税理士にすすめられているのか?」「顧問税理士は医業に強いのか?(医療法人化に対応できそうか?)」も確認してください。

また、会計事務所の名前が判明すれば、その税理士が医療に強いのかどうかは、調べれば大体分かります。また、ドクター自身が「医療法人を理解しているか?」を探ってみるのも大切です。ドクターの理解度を見ることで、顧問税理士の力量も把握できます。

さらに、ドクターに「医療法人化したら、どの位節税が可能なのか?シミュレーションしてみましたか?」と聞いて、シミュレーションをしていない場合は行いましょう。

【答えが「いいえ」の場合】

ドクターに「法人化を考えていない理由」を聞きましょう。その答えが、合理的な理由なのか、医療法人に関する認識が誤っていないかを確認してください。

また、この場合は、認識を正し、正確な知識を身に着けていただくために、「医療法人に関する資料」をお渡しする必要があります。顧問税理士よりも早く、医療法人に関する情報が提供できるように努めるべきです。

ドクターが医療法人化を考えていない理由

ちなみに、ドクターが医療法人化を考えていない理由として、以下の事がらが推測されます。

1.顧問税理士が医療法人に詳しくない。(法人化に対応できない)
2.医療法人に対する間違った認識を持っている。

周囲に、医療法人化している知人、友人がいなかったり、逆に医療法人化に失敗した知人がいると、誤った認識を抱きやすくなってしまうのです。

誤解の典型的な例にはいくつかあります。まずは、「法人化すると税務調査が入る」と思っているパターン。法人化したからといって必ず税務調査が入るとは、限りません。(まさしく根拠のない都市伝説です)

現行の医療法人に関して、「解散したら、財産が没収される」と誤った認識をしているドクターも多いです。第5次医療法の改正で平成19年4月以降、基金拠出型医療法人(持ち分なし法人)しか設立できなくなり、定款上、残余財産の帰属先が、国、地方公共団体、他の医療法人、医師会に限られるようになりましたので、誤解が生まれたのだと思います。

しかし、実際のところは、法人を解散するときに、剰余金(残余財産)を退職金として役員に支給する旨を社員総会で決議し、決定すれば、実質的に剰余金はゼロになり、国に没収されることもなくなります。

最後に、法人化することで「クリニックのお金が自由にならなくなるのではないか」と不安視する声もよく聞かれますが、これも誤解です。

財布は個人と法人が分かれますが、院長と医療法人は、実質的には、一体化しているので、会計上、別々の勘定になりますが、結局は院長先生のお金です。法人のお金は、私的な買い物に使えなくなるだけです。最終的には、退職金として法人のお金を回収することが出来ます。

実際に医療法人化の流れを経験しましょう

ここ数回の連載記事では、具体的な営業ノウハウをお教えしてきました。医療法人化はクリニックの経営(財務、税金)を改善するために非常に有効な手段ではありますが、一番大切なのは、いかにそのことをドクターに理解していただくかです。

このブログの記事や書籍をいくら読んでも、実務で経験を積まない限りは、営業のトークに説得力がでないのも事実です。保険営業パーソンで、医療法人化に関心を持っている方には、実際に医療法人化の一連の流れを体験することをおすすめします。

設立に長けている行政書士に同行したり、業務の一部を手伝わせてもらったり、そのくらいのことにはトライする必要があるのではないかと強く感じています。(いくら机上の空論を語っても意味がありません)

ドクターは「実際に、医療法人化を行ったことある人の話」が聞きたいと思っているのです。そこで、あなたが実体験に基づいた話をすることができれば、信頼を得ることができるでしょう。ドクターはたくさんの患者さんと会います。言うなれば、人と会うプロです。つまり人を見抜く洞察力を持ち合わせています。「この人は、他の営業/顧問税理士とは違うな」と思っていただくためには、上記のような実務経験を積むことが重要です。

保険営業に関して、意欲を持って勉強している方ほど、多くの疑問もお持ちだと思います。このブログを読んでいる方で、私に何かご質問がある場合は、こちらのお問い合わせフォームよりご連絡いただければと思います。