ドクターマーケットの保険営業方法「2回目の訪問で、クリニックの経営状況を把握する」

ドクターマーケットの保険営業方法「2回目の訪問で、クリニックの経営状況を把握する」

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こんにちは。私は、開業医専門FPとして活動をしております「三橋 泉」と申します。このブログでは、開業医を顧客にしたい保険営業パーソン、FP、税理士の方のために、営業方法に関するノウハウをお教えしていきます。

前回の記事では、クリニックの初回訪問でやるべきことについて、お話しました。2回目の訪問は、流行っている医院の場合、初回訪問から1ヶ月後には行いたいものです。今回の記事では、「2回目の訪問でやるべきこと」についてお伝えしましょう。

2回目の訪問のゴールは、経営状況を知ること

今回は、営業対象が「流行っているクリニック」だと想定してお話をしていきます。2回目の訪問のゴールは、ずばり「クリニックの経営状況の把握」です。

以前、当ブログの過去記事でも、おおよその売り上げをリサーチする方法を紹介しました。しかし、もっと具体的な「1ヶ月の売上高」「1ヶ月のレセプト(診療報酬明細書)枚数」「1日の外来人数」を知ることで、相手のクリニックが営業対象としてふさわしいか(=医療法人化をすすめられる年間売上高6,000万円に達しているか)といったことが分かるようになるのです。

ドクターに、他院の経営データを渡す

そうはいっても、いきなりドクターに「売り上げはどのくらいあるんですか?」と聞いたところで、そんな不躾な質問に答えてくれるはずもありません。では、どうするべきか。私が実際に使っているトークの事例をご覧ください。

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お忙しいところ、恐れ入ります。
先日、お伺いさせていただきましたDLSパートナーの三橋です。本日、情報提供させていただきたくお伺いしました。

昨今、先生方から喜ばれている情報をお持ちしました。
厚労省が公表している医療経済実態調査の経営データでございます。
(医療経済実態調査は、年1回全国の医療機関の収支を集計して病院、診療所、医療法人別に集計しており、また診療所や医療法人(ベットなし)は、診療科目別に集計しています。)

ご存知のドクターも少なからずいらっしゃいますが、「実際に見たことがあるよ」とおっしゃるドクターは、あまりいないのが現状です。
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クリニックの経営データをお渡しする目的は、売り上げを把握するためです。そのためには、ドクターにレセプト枚数や外来人数について答えて頂く必要があります。経営データを渡されたドクターは、「自分のクリニックは他院と比べて、収入レベルは良いのだろうか? 悪いのだろうか」ということを気にします。そこを教えてあげることで、逆説的にこちらの知りたいことも知れるわけです。

クリニックの収入レベルを教えてあげる

私の場合、データに対して興味深々の先生には、「先生、開業されて〇年目ですよね? 1ヶ月のレセプト枚数はどのくらいですか?」と、こちらから話を振ってしまいます。すると向こうは、自院の収入レベルを知りたいわけですから、レセプト枚数、1枚当たりの単価などを進んで教えてくれるのです。これで2回目訪問の目的は達成です。

「〇年目なら、成長スピード早いですよ」などと話していると、次にドクターは自分が気になっている「売り上げの頭打ちって、だいたい何年後位に来るの?」という質問をしてきます。この質問の回答は、診療科目や地域によって異なりますが、おおよそ「郊外は5~7年目、都市部は5年目」と、答えることで、ドクターに(この人は、クリニックのことをよく知っているんだな)と思ってもらえて、良い印象を与えることもできます。

2回目の訪問は、これ以上のアプローチはしなくてよいでしょう。

「医療法人化」の話は、3回目の訪問から

当ブログでは、ドクターに対して保険の営業を成功させるには、経営の相談相手になることが大切であること、そして、クリニックの節税には「医療法人化」が有効であることをお話してきました。

しかし、2回目の訪問では、まだ医療法人化の話はしたくありません。なぜなら、いかにも営業めいた印象を相手に与えかねないからです。

3回目の訪問において、ドクターに「税金」の情報をお伝えする中で、少しずつ医療法人化の話もしていくといいでしょう。私の経験上、2回目の会話で信頼関係が築けていた場合、3回目に訪問したとき、私自身のことを、記憶していただいており、ドクターのほうで、経営に関する質問をまとめてくださっていることもあります。そうなれば話もしやすいはずです。

まとめ

ドクターと接するときには、「自分だったら、どういう営業パーソンから話を聞きたいか」を考えてみるようにしてください。やはり、プロとして、保険のことのみならず、医療業界やクリニック経営に関する知識を身に着けていることが大切なのではないでしょうか。

保険営業に関して、意欲を持って勉強している方ほど、多くの疑問もお持ちだと思います。このブログを読んでいる方で、私に何かご質問がある場合は、こちらのお問い合わせフォームよりご連絡いただければと思います。