
ドクターマーケットの保険営業方法「クリニックの医業収入をリサーチする方法」
こんにちは。私は、開業医専門FPとして活動をしております「三橋 泉」と申します。このブログでは、開業医を顧客にしたい保険営業パーソン、FP、税理士の方のために、営業方法に関するノウハウをお教えしていきます。
当ブログの過去記事 (1)、 (2)、 (3)において、私たちが営業対象とすべきクリニックは「開業4年~10年目位」で「年間の医業収入 6,000万円以上」であると、ご説明いたしました。そして、条件に当てはまるクリニックをリスト化し、重点的に営業を行う必要があるともお伝えしました。
すなわち、クリニックを初めて訪問する際は、上記の条件に当てはまっているかどうかを「リサーチ」しなければいけません。今回は、クリニックの医業収入のリサーチ方法をお教えしましょう。
一日当たりの患者さんの数を調べる方法
まずは、タウンページ、インターネット検索、名簿等を利用して、開業2年目以上のクリニックをリストアップしましょう。ご自分のオフィスから行きやすい場所にあるクリニックが良いです。
訪問は、昼休みか、夕方の時間帯に行うようにしてください。ドクターは、午前診療後、もしくは午後診療後にお手すきのことが多いからです。
クリニックに入ったら、受付に置いてある患者さんの名前一覧を確認しましょう。その人数を見れば、一日当たり、どのくらい患者さんが来ているのかがわかります。
もしそのような名簿がなければ、ドクターと直接お会いして、一日当たりの患者さんの数を伺う必要があります。受付の方に名刺をお渡しし、「ドクターとお話したいのですが、ご面会のお時間・曜日は決まっていますか?」と聞いてみてください。
「特に決まっていません」と言われたら、「本日、お会いできませんか?」「午前や午後の診療後はいかがでしょうか?」とその場でアポをとるよう試みましょう。
「決まっています」と言われたら、相手から指示された日時に再訪問する必要があります。
診療科目ごとの単価を考えれば、おおよその医業収入が分かる
一日当たりの患者さんの数が分かれば、あとは診療科目ごとの単価を考えることで、おおよその年間医業収入を把握することができます。各診療科目の一人当たりの診療単価は以下のとおりです。
診療科目 | 診療単価 |
---|---|
内科 | 約5,000~7,000円 |
小児科 | 約3,000~5,000円 |
整形外科 | 約2,000~4,000円 |
皮膚科 | 約3,000~5,000円(保険適用の場合) |
眼科 | 約4,000~6,000円 |
耳鼻科 | 約3,000~5,000円 |
心療内科 | 約5,000~6,000円 |
ただし、開業場所(地域)、及び院外処方か院内処方によって、診療単価は異なるので注意しましょう。
例えば、みなさんもご存知のとおり、初診と再診では金額が違いますが、開業直後のクリニックは、リピーターがまだ少ないため、初診の数が多くなります。
また皮膚科の場合、美容関係は保険が適用されず、自費診療になります。そうなると、上記の単価よりも高くなるのです。都心部では、美容診療を多く行い、高い収入を上げる皮膚科も散見されます。
医療法人化すべき、1日当たりの外来患者数
私は過去の記事において、ドクターの資産形成のために、「医療法人化」をおすすめすべきだとお話してきました。
医療法人化するうえで、目標になるのは、最低「年間の診療報酬 約6,000万円」です。そうすると、以下の外来患者数がおおよその目安となります。(1ヶ月の稼働日数=22日)
診療科目 | 外来患者数(1日) |
---|---|
内科 | 40人 |
小児科 | 60人 |
整形外科 | 80人 |
皮膚科 | 70人 |
眼科 | 50人 |
耳鼻科 | 60人 |
心療内科 | 50人 |
(支払基金 統計月報 より)
ただし、ここでも頭に置いておかなければいけないことがあります。それは、外来患者数が多いからといって、利益率が高いとは限らないということです。
例えば、小児科、皮膚科、心療内科は、医療機器がさほど必要ないため、初期投資が少額で済みます。逆に、消化器内科、眼科、整形外科は、多額の医療機器が必要になり、初期投資が高額になります。
また、戸建て、テナント、建て貸し、定期借地権や継承開業等、開業スタイルによって毎月の固定費や借入金の返済額が異なりますので、注意する必要があります。
各診療科目の特徴を理解しましょう
今回の記事では、各診療科目の特徴についてもご紹介しましたが、これらの知識は、クリニックの医業収入を予測することだけに活用するべきではないと、私は考えます。
ドクターからの確固とした信頼を得るために、私たちは財務・税務の知識だけでなく、各診療科目の特徴に関しても、しっかりと理解しておきたいところです。
ところで、「飛び込み営業したけれど、ドクターにお会いしていただけなかった」という経験をお持ちの方もいると思います。
初回訪問の際、ドクターと会ってもらうにはどうすればいいのでしょうか? また、お会いできたとして、どのような話をするべきなのでしょうか? これらの内容に関しては、おいおいこのブログでお話しさせていただきます。
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