
ドクターマーケットの保険営業方法「ドクターが顧問税理士選びに失敗する理由」
こんにちは。私は、開業医専門FPとして活動をしております「三橋 泉」と申します。このブログでは、開業医を顧客にしたい保険営業パーソン、FP、税理士の方のために、営業方法に関するノウハウをお教えしていきます。
前回の記事で、私たちは開業医の先生に対して、財務アドバイザーとして、医療法人化の提案をすべきだというお話をしました。
本来であれば、顧問税理士が医療法人化の提案を行うこともできるはずです。しかし、実際には提案が行われていない事例が散見されます。
なぜ、ドクターは顧問税理士選びに失敗してしまうのでしょうか? その理由は、大きく分けると2つあります。
1. ドクターに、税理士の知識が不足している
皆さんもご存じのとおり、医師になるためには途方もない勉強量をこなさなければいけません。さらに、医師国家試験に合格した後は、研修医として多忙な日々を過ごすことになります。
つまり、ドクターは医療の知識を身に着けるのに必死で、税理士業界や税務の知識を身に着ける機会はなかなかありません。自分の医院を開業する際に、はじめて税理士に会うことになるのです。
私はこの状況は“お見合い結婚”にたとえられると思います。ドクターが男性で、税理士が女性。男性は、「女性と全く付き合ったことがなく、会話もしたことがない」状態。こういった男性が、容姿の良い女性(= 規模が大きく、知名度が高い会計事務所)とお見合いしたら、すぐに結婚を決めてしまうことでしょう。
一般的に、結婚を考えるときは、相手の性格、職業、趣味、家族構成といった人間性や内面、バックグラウンドを考慮するものです。しかし、ドクターが税理士を選ぶ“お見合い結婚”では、そういった踏むべきプロセスが踏まれていないのです。
2. 税理士をすすめる側に問題がある
ドクターが顧問税理士選びに失敗する理由は他にもあります。それは、税理士を「すすめる側」に問題があるということです。
以下の3職種が、ドクターに税理士をすすめる側として挙げられます。
1. 開業コンサル
2. 医療機器を扱っている医療機器ディーラー
3. 調剤薬局が資本提供している開業支援業者
あまり批判はしたくないのですが、私の経験からいうと、こういった仲介者の方がすすめる税理士は、適正ではないことが多いです。
彼らは、税理士業界や税理事務所のことをよく分かっていないため、これからクリニックを開業するドクターが、どういう基準で税理士を選ぶべきかをアドバイスできないのです。仮にアドバイスできたとしても、紹介した税理士がドクターのニーズに応えられるかという点においても疑問が残ります。
“お見合い結婚”でいうならば、「仲人」に問題がある状態といえるでしょう。
ドクターの顧問税理士をジャッジすべき
クリニックを開業する際には決め事が多く、どうしても税理士関連のことは後回しになります。開業して1~2年経ってから、ドクターが顧問税理士に対して疑問を持ち始めるケースが多いのが実情です。
開業した時点では、ドクターに税理士の良し悪しがわかるはずがないので、すすめる側はきちんと責任を持たなければいけません。ドクターの性格や開業した後に予想される問題を考慮した上で、適切な税理士をすすめるべきです。
私たちは、財務アドバイザーとして、ドクターの顧問税理士について客観的にジャッジしなければなりません。その際には、今回お話した内容を参考にしていただければ幸いです。
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