
ドクターマーケットの保険営業方法「ドクターにとっての財務アドバイザーになろう」
こんにちは。私は、開業医専門FPとして活動をしております「三橋 泉」と申します。このブログでは、開業医を顧客にしたい保険営業パーソン、FP、税理士の方のために、営業方法に関するノウハウをお教えしていきます。
現在、昨今の税制改正により、開業医の資産形成は困難になっています。前回の記事では、私たちがドクターに対して、「財務アドバイザー」としての立場からアドバイスを行っていくことによって、保険契約につながるとお話いたしました。
開業医の資産形成の鍵は、医療法人化
では、開業医の資産形成のために、私たちはどのような提案をするべきなのでしょうか? その答えは、「医療法人化」です。
以下に、医療法人化によるメリットを挙げます。
(1) 税額の軽減
法人の税率は低い
個人診療所の場合、所得税・住民税を合わせた税率は、課税所得1,800万~4,000万までは、約50%、4,000万円以上は、55%となります。事業所得が、1,800万円以上であれば、おおよそ半分の額を納税しなければなりません。(※ 院長先生の医業収入-経費= 事業所得)
一方、医療法人であれば、法人税、住民税、事業税トータルで800万以下の部分は、約24%、800万超の部分は、34%となります。法人と個人の税率差が、以前よりも開きつつあります。
法人にすることにより、所得が分散される
個人診療所は院長先生に所得が集中するのに対し、医療法人化すれば、役員(理事長、理事)と法人に所得が分散されるため、全体の税額が軽減できます。
個人診療所も「専従者給与」という形で、家族に対して給与を渡すことができます。しかし、「職員」と同じ扱いになるため、おおよそ約600万円~800万円位が限度で、高額な給与を支給することができません。
一方、医療法人の場合は、家族を「役員」にすることができるため、もっと高額の給与を出せるようになり、節税につながるのです。
(2) 資金繰り改善
医療法人化すると、設備投資、医療機器等の借入金は、法人に引き継ぐことができます。
これまで、借入金を個人の税引き後所得(可処分所得)から返済していたわけですが、法人に引き継ぐことで、法人の税引き後の利益から返済することになるため、資金繰りが改善されます。
具体的に、どのような条件のクリニックに対して、医療法人化が有効かについては、当ブログの過去記事をご覧ください。
財務アドバイザーとして、準備すべきこと
次に、私たちが財務アドバイザーとして準備すべきことを解説しましょう。
(1) 知識を身に着ける
医療法人や税務会計についての知識がなければ、ドクターにアドバイスをすることもできません。必ず身に着けておきたいところです。
(2) 税理士、行政書士と提携する
ドクターの顧問税理士が、医療法人に精通しているとは限りません。特に、売上・税金の面から見て、医療法人化してもいいようなクリニックなのに、していない場合は、顧問税理士が提案していない(=医療法人に関する知識や法人化の経験がない)ことが多いです。あらかじめ、私たち側で医療法人に詳しい税理士と提携しておくことをお勧めします。
また、医療法人の設立の手続きは非常に煩雑で、用意する書類も多く、申請期限も厳しいため、行政書士にサポートをお願いする必要があります。
ドクターの顧問税理士について把握する
ドクターにアドバイスをする際は、現在どんな会計事務所と顧問契約を結んでいるのかを把握する必要があります。なぜならば、どういった会計事務所と顧問契約されているかが、私たちのビジネスにつながるか否かのカギになるからです。ですので、顧問理士事務所の規模、専門性、知名度、そして、何よりも重要なのが会計担当者の能力を把握する必要があります。
現状を知らないとビジネスにつながりません。ドクターと信頼関係を築き、会計事務所の情報をお聞きすることが大切です。
次回の記事では、私たちは財務アドバイザーとして、どのような税理士と提携するべきなのか、医療専門会計事務所の特徴と問題点といった、税理士・会計事務所業界の現状についてのお話をさせていただきます。
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